外国の方「経営・管理」ビザの申請について

 外国の方が日本現地法人を設立し、代表者が「経営・管理」在留資格を取得して来日するケースは、近年に多くみられます。同時に、ペーパーカンパニー問題、ビザ取得目的など指摘されることもあったりします。今年10月6日付、法改正により、当在留資格の許可基準が見直しされ、結論から言うとハードルがあげられることとなりました。

 問題があったりする中、無論、しっかり日本で事業を展開していきたい方もいらっしゃります。今回の法改正は、多くの関心が集まり、たくさんのお問い合わせやご相談もございました。

 今更かもしれないのですが、許可基準の見直しを振りかえてみましょう。

出入国在留管理庁(在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について)

 ①資本金・出資総額。500万円から6倍の3000万円と引き上げられました。いきなりびっくりした方もいらっしゃるかと思いますが、諸外国の実情を参照としたようです。

 ②経歴・学歴。法改正前、管理者は管理経験を求められますが、経営者の場合は不要でした。現在、両方とも経験もしくは関連学歴が求められています。

 ③雇用義務。500万円以上の出資もしくはそれ相当の規模と認められる場合、雇用要件はなかったのですが、法改正後、3000万円の出資に加えて1名以上の常勤職員の雇用が必須となりました。なお、その常勤職員は日本人又は居住在留資格を持ちの外国人(特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)に限ります。

 ④日本語能力。以前は特に求められていなかったのですが、申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力(例えば日本語能力試験N2合格など)を有することが条件となりました。なお、ここの常勤職員は、上記③と異なり、就労在留資格(人文知識・国際業務等)を持ちの外国人も含まれます。日本語能力に関しては、日本で事業を展開していくにも暮らしていくにも普通は必要であろうとも思われますが。

 ⑤在留資格決定時における専門家の確認。要は、新規事業計画につきまして、事業の安定性・継続性等は、税理士、中小企業診断士等専門家のお墨付きが必要とのことですね。

 以上の内容に加えて、下記数点も申請要件となります。

 ・事業を行うための事務所や店舗が、日本に確保されていること

 ・事業運営に必要な営業許可を取得済み、又は届出が完了しているであること

 ・必要な税金関係書類を申告済みであること

 ※「事務所」は自宅等とは別に確保されており、独立したものでなければならない。また、店舗の経営である場合には、独立したスペースの確保が必要

 ※資本金・出資総額の証明にあたり、どのように調達したかという資金源を明らかにすることが求められる

 【例1】自分で貯めた場合:所得証明書、本国の通帳の写し等

 【例2】親又は親族から借りた場合:金銭消費貸借契約書(又は借用書)、親族関係証明書等

  その他、送金記録、海外送金に関する通知書、税関での申告記録(現地持込の場合)等

 申請要件を確認しましたら、次は必要書類関係のご準備ですね。

  • 個人に関する書類

 ①在留資格認定証明書交付申請書(又は在留資格変更許可申請書)

 ②証明写真(縦4cmx横3cm)

 ③返信用封筒(宛先を明記、簡易書留用切手貼付)※認定の場合のみ

 ④在留カード(変更の場合)

 ⑤パスポートの写し

 ⑥卒業証書または卒業証明書(大卒以上の場合)

 ⑦日本語能力を証明する書類(日本語能力試験合格証などがあれば)

 ⑧申請理由書(これまでの経歴、起業のきっかけ、出資金の形成過程説明、共同経営者と知り合ったきっかけ、共同 経営者との役割分担、起業準備中に行ったこと、自分の強み、経営にかける意気込み、会社の概要、将来の事業展望など)

 ⑨出資金の形成過程説明を証明できる書類(出資による場合)

  • 会社に関する書類

 ①事業計画書

 ②年間損益計画表

 ③登記事項証明書

 ④定款の写し

 ⑤年間投資額説明書

 ⑥株主名簿の写し

 ⑦取締役の報酬を決定する株主総会議事録の写し

 ⑧会社名義の銀行通帳の写し(開設済みの場合)

 ⑨設立時取締役選任及び本店所在地決定書の写し

 ⑩就任承諾書の写し

 ⑪会社案内又はHP(役員、業務内容、主要取引先、取引実績、沿革等が記載されたもの)

 ⑫会社の写真(ビル外観、入口、フロア別案内板、ポスト、事務所内など)

 ※事務所内には、机・椅子、PC、電話、キャビネットなど設置されていること

 ⑬事務所の建物賃貸借契約書の写し(事務所の不動産を所有している場合は、「登記事項証明書」が必要)

 ⑭法人設立届出書の写し(税務署の受付印のあるもの)

 ⑮給与支払事務所等の開設届出書の写し(税務署の受付印があるもの)

 ⑯源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の写し(税務署の受付印のあるもの)

 ⑰青色申告の承認申請書の写し(税務署の受付印のあるもの)

 ⑱法人(設立時)の事業概況書の写し(税務署の受付印のあるもの)

 また、下記に該当する場合、別途ご用意する書類がございます。

 〇飲食店や旅行業、不動産業など許認可を必要なビジネスをする場合

 ①営業許可証の写し

 〇発起人に企業が含まれている場合

 ①登記事項証明書

 ②定款の写し

 ③株主名簿の写し

 ④決算報告書の写し(直近年度)

 〇管理者として雇用される場合

 ①雇用契約書

 ②事業の経営または管理について3年以上の経験があることを証明できる資料

 〇既存会社の役員になる場合

 ①最新年度の貸借対照表・損益計算書の写し

 ②前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し(受付印のあるもの)

 〇外国法人内の日本支店に転勤する場合

 ①異動通知書または派遣状の写し(要日本語翻訳)

 現に、「経営・管理」在留資格申請の難易度が高くなっており、審査期間も長引ていますが、決してもう申請できないわけではございません。日本で起業又は既存事業を拡げたい外国の方、申請要件を入念に確認し、しっかりとした事業計画を立てましょう。必要に応じて専門家のご意見も聞いてみると良いでしょう。法律を守り、安定して長く続ける事業運営に励み、ご多幸なる暮らしをお祈り申し上げます。