会社を作るには

 「独立して、自分の会社を作りたい」というのは、今では珍しいことではありません。ただし、今まで会社に勤めていた人、もしくは個人事業主をやっていた人には、当たり前のようですが、会社を作る経験はありません。

 どんな会社が作れるのか、どうな会社を作りたいのか、どうやって会社を作るのか?など、疑問を持ちます。

 そもそも、会社ってなに?一般的に、会社法に基づいて設立された営利目的の法人を指す、と言われています。では、法人とは?簡単に言うと、法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織です。法人は、人ではないものの、法律上、人格が認められ、権利や義務を持つ主体となり、これにより契約や取引等がスムーズに行えるようになります。

 法人は、その目的によって大きく3つに分類されます。

 ①営利法人。構成員(株主など)に利益を分配することを目的とする法人であり、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社等が該当します。

 ②非営利法人。利益を構成員に分配することを目的としない法人であり、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人等が該当します。

 ③公法人。国や公共の事業を行うことを目的とする法人であり、地方公共団体、独立行政法人等が該当します。

 もっとわかりやすく言うと、要は、会社は営利目的の法人の一種ですね。

 そのうち、株式会社と合同会社、割りと馴染みのある名前ではないでしょうか。その中でも、株式会社は知名度が高く社会的信用度も高いというイメージが持たれています。

 実際、政府統計によると、令和5年時点の会社の割合は、株式会社が約78%、合同会社が約8%、合名会社が約0.06%、合資会社が約0.2%、特例有限会社が約12%です。現在新設される会社は、ほとんどが株式会社か合同会社のどちらかとなっています。

 では、割合が大きい株式会社の設立を中心にみてみましょうか。

 まずは、大体の流れを知っておきたいですね。

 ①会社の基本事項を決定。例えば、商号(会社名)、本店所在地(事務所の場所)、事業目的、基本金金額、決算期、役員任期など、これらはのちに定款の内容になります。

 ②類似商号の調査。必須ではないのですが、同じ若しくは似ている名前の会社がいっぱいあると嫌だなとか、不正競争防止の観点でも一応調べてみるのはよろしいかと思います。

 ③会社印鑑を作る。商号が決まったら、会社の印鑑も作りましょう。会社角印(社印)、代表者印(会社実印)、会社銀行印をセットで作られるのは一般的と言われています。また、ゴム印(住所印)も作っておくと、今後の業務上いろいろ便利でしょう。

 ④定款等設立に必要な書類一式を作成。必要書類は、あとでご紹介いたします。

 ⑤定款認証。管轄の公証役場にて作成した定款を認証していただきます。

 ⑥資本金の払込みを行う。「元々銀行口座にお金が入っている」ではダメです。その場合でも、一度引き出して改めて入金する必要があります。「払込み」という行為が必要なわけですね。もう一つ注意していただきたいのは、原則として、資本金の払込みは、定款作成日以降に行う必要があります。

 ⑦設立登記申請。すべての書類が揃えたら、管轄法務局にて登記を申請します。申請当日に登記完了できるわけではないのですが、登記申請日が、法的な会社成立日となります。

 ⑧登記完了。管轄法務局や申請内容等にもよりますが、申請よりおおむね10日~2週間かかります。登記完了後、会社謄本・印鑑証明書が取得できるようになります。

 ⑨税務署等官公署への届出。会社設立後、法人設立届出、給与支払事務所等の開設等届出、源泉所得税等の納期の特例の承認に関する申請等、官公署への手続きがあります。大事な手続きなので、忘れずに早めに行っておきましょう。

 会社設立の流れは、これで大体イメージできたかと思いますが、では、どうな書類を用意すべきでしょうか?

 小さいな会社からスタートするのが多いかと思いますので、一般的な小規模会社の場合の必要書類をまとめてみました。

 上記の順をそって、簡単にご説明いたします。

 ①設立登記申請書

 登記申請書は会社名(商号)や本店所在地、登録免許税の金額、添付書類の一覧などを記載する書類です。

 □会社名(商号)

 □本店所在地

 □登記の事由

 □登記すべき事項

 □資本金の額

 □登録免許税の額

 □添付書類

 ②登録免許税の収入印紙貼付台紙

 登録免許税は収入印紙で納付するため、金額に応じた収入印紙を台紙に貼り付けて提出する必要があります。

 ③定款

 定款とは会社の基本的なルールを定めた書類です。登記手続きは定款の作成及び認証を終えてから行います。

 定款の記載項目は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けられます。以下の絶対的記載事項に関しては、記載漏れがあると定款自体が無効になります。

 □商号(会社名)

 □本店所在地

 □事業の目的

 □資本金額(出資財産額)

 □発起人の氏名と住所

 なお、株式会社設立の場合は定款を作成したら公証役場で認証手続きを受ける必要がありますが、合同会社の場合は不要です。

 定款認証にかかる費用は、認証手数料、謄本手数料、収入印紙代の3種類があります。

 1)認証手数料:株式会社または特定目的会社の場合、資本金の額によって異なり、以下の通りです。

   ・資本金100万円未満:3万円

   ・資本金100万円以上300万円未満:4万円

   ・上記以外:5万円

   ※一般社団法人の場合は一律5万円です。

 2)謄本手数料:紙の定款の場合、謄本1枚あたり250円の手数料がかかります。枚数は定款のページ数と認証文のページ数を合計した数で計算されます。

 3)収入印紙代:紙の定款の場合、収入印紙代として4万円が必要です。電子定款の場合は収入印紙代はかかりません。

 ※電子定款の場合、認証済みの定款データをUSBメモリなどに記録してもらう場合、電磁的記録の保存手数料として1回につき300円がかかります。

 発起人の決定書

 発起人全員の合意の元に本店所在地が決定されたことを証明するための必要書類です。

 定款で設立時代表取締役を定めていない場合は、この発起人の決定書で、誰が設立時代表取締役になるのかを明らかにします(合同会社の場合は代表社員)。

 ※ 次の2つの条件のうち、1と2両方を満たす場合か1を満たす場合はこの書類は不要となります。

  1.定款で本店所在地を番地まで含めて記載している。

  2.公告方法に電子公告以外を選択している。

 ⑤取締役の就任承諾書

 役職名を記載し、取締役として就任を承諾した旨を証明する書類が「就任承諾書」です。

 ⑥代表取締役の就任承諾書

 代表取締役の就任承諾書は取締役が1人だけの場合、自動的にその取締役が代表となるため不要です。

 就任承諾書の記載内容は、取締役の就任承諾書と基本的には同じ内容です。合同会社においては、役職名が「代表社員」となります。

 ⑦設立時取締役の印鑑証明書

 発起人が設立時取締役に就任する場合は、定款の認証を受ける際に発起人が取得したものと同じ印鑑証明書が必要です。設立時取締役が複数人いる場合は、全員分の印鑑証明書を取得します。
 ただし、取締役会を設置している場合は、設立時代表取締役の印鑑証明書のみで問題ありませんが、その他の設立時取締役と設立時監査役の住民票が必要となります。

 また、海外在住の外国人の場合、日本の印鑑証明書は取得できません。その代わりに、本国の公証役場にてサイン証明書等(国によって名称が異なります)を取得します。

 ⑧払込みがあったことを証する書面

 定款に記載している通りの資本金が発起人によって所定の銀行口座に振り込まれたことを証明するための書類です。

 通帳の以下3ヶ所をコピーして、「払い込みに関する事項」と記載した表紙をつけ製本します。

 □資本金の払込みが記帳されている欄

 □表紙

 □個人情報欄(※表紙を開いた裏にある口座番号や口座名義人が記載されている欄)

 ※各見開きページの綴り部分には会社実印で契印するのを忘れないようにしましょう。

 ⑨印鑑届出書

 会社の実印作成後に「代表社印」として法務局に対して印鑑登録を行います。そのための書類が「印鑑届出書」です。

 ⑩登記すべき事項の記載書面もしくは保存したCD–R

 「登記すべき事項」とは、会社設立にあたって必ず登記が必要な項目です。CD-Rでの提出も可能です。

 以上、ざっくりではありますが、会社設立の流れや必要書類をご紹介いたしました。少しでもご参考になって頂ければ幸いです。