宅建業免許の申請について

 不動産業界で10年以上勤めており、特にここ数年、不動産関連会社はたくさん増えたなと実感しております。行政書士をやっていると、実際に、独立して不動産会社をつくるため、宅建業免許申請のご相談も少なくありません。

 この度は、東京都知事免許の申請を例として、重要なポイントのみ、私なりに整理してみました。

(一)まずは、大前提としての免許申請時の要件について見てみましょう。

 ①履歴事項全部証明書(会社謄本と言われているもの)の事業目的欄に宅建業を営む旨の記載が必要

 記載例として、「宅地建物取引業」「不動産の売買、媒介」など、「不動産業」のようなあいまいなものは認められません。

 ②「欠格事由」の確認は大事

 聴いたことはあるが、具体的にどういったものが該当するか、すぐには浮かべないとよく言われます。

 下記通りまとめてみました。

 上記「欠格事由」の一つにでも該当する場合、免許申請をしても拒否されます。また、免許を受けた後も、この「欠格事由」に該当することとなった場合は、免許は取消されることになりますので、十分に注意すべきことです。

 ③実態のある事務所が必要

 一般的に、宅建業を継続的に行える機能を持ち、社会通念上も事務所として認識される程度の独立した形態を備えていることが必要といわれています。また、事務所として使用する権原を有していることも必要です。

 事務所についてよくある問題としては、他社との共用事務所、自宅事務所などです。必ずしもダメなわけではないのですが、専用の出入口、相互に独立していると認められる間仕切り、住宅部分を通らずに行けるなど、厳しく審査されます。

 もっと客観的に理解していただくため、ご参考として以下の図を添えます。

※「東京都宅地建物取引業免許申請の手引き」より

④専任の取引士を設置しなければならない

 一つの事務所において「業務に従事する者」5名に1名以上の割合として、専任の取引士の設置が義務つけられています。

 ここでいう「業務に従事する者」とは、よく「営業の者」のみと勘違いされがちですが、下記の者はすべて該当されますので、注意しましょう。

・代表者(複数の場合は全員)

・営業に従事する者

・常勤の役員

・宅建業に係る一般管理部門に所属する者(総務・経理担当者)

・補助的事務に従事する者

 因みに、専任の取引士の数が不足した場合は、2週間以内に補充等必要な措置を取らなければならないという決まりもあります。

(二)要件を満たしていることを確認できたら、申請手続きに進めらます。一般的な流れは下記通りとなります。

①書類の収集・作成

②免許申請

※書類不足がある場合、追加提出が求められます

③審査(欠格事由等の審査、事務所調査など)

④免許通知(普通郵便はがきで申請者の事務所本店宛に通知します)

⑤営業保証金の供託&届出もしくは保証協会への加入

※保証協会への加入手続は約2ヶ月かかりますので、申込みは早めに行うことをおすすめします

⑥免許証交付

⑦営業開始

※取引士は、免許を受けた後「勤務先(業者名)及び免許証番号」の登録を忘れずに行いましょう

(三)上記申請手続の1番に出てくるのは書類の収集・作成となりますが、では、どういった書類が必要になるか、下記通りまとめてみました。

※青表記以外の書類は「法定様式」であり、東京都住宅政策本部のWebサイト「申請様式」からダウンロードできます。
※作成部数は、正本1部、副本1部の合計2部(副本は受付後の控えとして申請者に返します。
※書類は上記の順にそろえ、左側に二つ穴を開け、ひもでとじて提出します。

 「法定様式」書類の作成にあたり、以下の内容は事前に確認、準備しておく必要があります。

①固定電話番号、FAX番号(固定電話等の契約)

②従事する者の数(従業員の確保)

③代表取締役の職歴詳細

④専任の宅地建物取引士の略歴書(住所、電話番号、氏名「フリガナ」、生年月日、登録番号、職歴詳細)

⑤従事する者の名簿(氏名、生年月日、性別、従業者証明書番号、取引士かどうかの別)

⑥専任の宅地建物取引士の顔写真(4x3cm、撮影年月日「6ヶ月以内」)、取引士証の有効期限(お持ちの取引士証参照)

⑦事務所を使用する権限(所有者、契約相手(貸主)、契約日、契約期間「更新可否」、契約形態、用途)

⑧事務所写真(写真サイズは最低A7判(74x105mm)程度)

 建物の全景、建物の入口付近、テナント表示(ない場合は集合ポスト)、事務所の入口(扉を閉じた状態、開けた状態、商号等拡大写真)、共用部(平面図・写真)、事務所の内部(間取り図・写真)「対面可能な応接セット、従事する人数分の机・椅子を含む執務場所、固定電話(開通済)は必須」

 一方、青表記の書類は別途ご用意となりますが、そのうち、3&4番を簡単にご説明します。

 3.(身分証明書)。まずは、運転免許証やパスポート等ではないことをご認識して頂きたいですね。こちらは本籍地の区市町村が発行する「成年被後見人及び被保佐人とみなされる者ではない」及び「破産者に該当しない」という証明となります。

 外国人の場合、身分証明書の発行ができないため、代わりに下記の書類をご用意する形となります。

①日本在住の外国人の場合。「成年被後見人及び被保佐人とみなされる者ではない」「破産者ではない」ことを本人が誓約する書類と住民票(マイナンバーの記載がないもの、国籍等、在留資格、在留期間、在留期間満了の日及び在留カードの番号又は特別永住者証明書の番号の記載があるもの)

②外国在住の外国人の場合。パスポートの写し等及び、「成年被後見人及び被保佐人とみなされる者ではない」「破産者ではない」ことを本人が誓約する書面又は身分証明書と同一の内容を記載した証明書(日本語も添付)

 4.(登記されていないことの証明書)。東京法務局で発行する「成年被後見人及び被保佐人とする記録がない」ことの証明書であり、こちらは日本在住の外国人も発行できます。なお、外国在住の外国人の場合は、添付不要となります。

※上記書類を含め、官公庁が発行する証明書類等は、申請受付日現在で発行から3ヶ月以内の原本が必要です

 以上の書類をすべて揃えたら、ようやく免許申請ができます。申請手続の手引をみてもよくわからない場合、申請先に電話でお問い合わせするか、専門の行政書士にご相談してみましょう。

 また、新規免許を受けた後、営業保証金の供託もしくは保証協会の加入、取引士の「勤務先」等の変更登録申請、事務所等にて標識の掲示など、忘れないよう注意しましょう。