特定行政書士とは
行政書士は、街の法律家といわれており、士業の中でも割りと馴染みのある職業かと思います。行政書士とはと聞かれたら、建設業許可など許認可申請を代わりにやってくれる人とか、外国人の方にしては、ビザ申請を手伝ってくれる人とか、なんとなくイメージがわきます。
では、特定行政書士とは?何でしょうか?
簡単に言うと、特定行政書士とは、日本行政書士会連合会が実施する「特定行政書士法定研修」を修了し、その考査に合格した行政書士のことです。
まずは、行政書士として登録されていることは前提条件となります。いきなり特定行政書士になる道はありません。その後、法定研修を受講し、考査に合格してようやく特定行政書士になれます。
ちなみに、特定行政書士の考査は、マークシート形式の30問択一式で、試験時間は2時間となります。合格率に関しては正式な発表はないのですが、例年7割程度で推移していると言われています。近年は、難化している傾向が見られ、6割程度に寄りつつあるのは現状です。6、7割の合格率は高いと思われがちですが、現役の行政書士でも3割以上が不合格になることを考えると、意外に難易度高いともいえるでしょうか。
特定行政書士と行政書士、何が違うか?特定行政書士になると、何ができるか?ここも気になるところですね。
特定行政書士は、通常の行政書士業務に加え、行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成することができます。
ということは、許認可申請から不服申立てまで一貫したサポートができるわけですね。例えば、特定行政書士に依頼して、建設業許可を申請したが不許可となった際、そのまま不服申立ての依頼もできるとのことです。
なお、申請不許可の場合だけでなく、業務停止処分等不利益処分を受けた際の不服申立ても、行うことができます。
また、令和8年1月1日に施行予定の行政書士法改正では、特定行政書士の業務拡大に係る内容があります。
| 改正案 | 現行法 |
| 第1条の4二 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に関する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。 | 第1条の3二 前条の規定により行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に関する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。 |
要は、従来は行政書士が作成したもののみ、不服申立てを業務として行うことができるとしていますが、法改正により、一般の方が自ら書類を作成して許認可を申請した場合も、特定行政書士が不服申立ての代理等を行うことができるようになります。
これにより、特定行政書士が活躍できる場、今後はさらに広がるのではないかといわれています。
但し、現状では、実務上特定行政書士を活かせているケースはまだまだ少ないと、現役の行政書士からよく聞きます。特定行政書士になったから、すぐに仕事が増えるとは限りません。
個人的に思うのは、法定研修を経て、行政法に関する深い知識を復習し、習得できたり、お客様に対しより正確なご案内ができたり、少なからずお客様との信頼関係を築くことに役立つのではないでしょうか。


